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労働者派遣事業を行うための条件

派遣事業を行う場合は、労働者派遣事業法を遵守することが求められます。そのため、労働者派遣法の趣旨に沿った要件を満たすことが求められています。

そのため、一般労働者派遣事業の許可を受けるためには、一定の欠格事由(禁錮以上の刑又は、一定の労働法に違反して罰金の刑に処せられ、その後5年を経過しない等)に該当しないことのほか、次の基準をすべて満たす必要があり、以下の基準に適合していないと認められるときは厚生労働大臣は許可をしてはならないことになっています。

(1) 専ら特定の企業等に対して労働者派遣事業を行うことを目的としていないこと。
派遣事業の実施が、労働力の需給の適正な調整促進のために必要、かつ適切であることが必要とされます。  つまり、対象業務ごとに派遣先がきちんと確保され、それに伴う派遣労働者の確保が見込まれているか否かなどが定められています。むやみに事業許可を受けた上に、他の事業主との競合のために、妥当でない方法で派遣先や労働者を確保するような事があれば、労働市場に混乱を招きかねない危険性があるからと考えられています。

(2) 派遣元責任者が適正に選任されていること。
この場合、派遣元責任者は、下記の要件が必要とされています。

  1. 未成年者でないこと
  2. 欠格事由のいずれにも該当しないこと
  3. 住所不定等の生活根拠が不安定なものでないこと
  4. 健康であること(雇用管理に支障が無い健康状態であること)
  5. 不当に他人の精神、身体及び自由を拘束する恐れのない者であること
  6. 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行う恐れのない者であること
  7. 名義借りではないこと
  8. 下記のいずれかの経験を有しており、他の派遣元事業所の派遣元責任者となっていないこと
    イ.) 成年に達した後、3年以上の雇用管理の経験を有する者 この場合において、「雇用管理の経験」とは、人事又は労務の担当者(事業主(法人の場合はその役員)、 支店長、工場長その他事業所の長等労働基準法第41条第2号の「監督若しくは管理の地位にある者」を含む。)であったと評価できること、 又は労働者派遣事業における派遣労働者若しくは登録者等の労務の担当者(労働者派遣法施行前のいわゆる業務処理請負業における派遣的労働者の労務の担当者を含む。)であったことをいう。
    ロ.) 成年に達した後の雇用管理の経験と派遣労働者としての業務の経験とを合わせた期間が3年以上の者(ただし、雇用管理の経験が1年以上ある者に限る。)
    ハ.) 成年に達した後の雇用管理の経験と職業経験とを合わせた期間が5年以上の者(ただし、雇用管理の経験が1年以上ある者に限る。)
    ニ.) 成年に達した後、職業安定行政又は労働基準行政に3年以上の経験を有する者
    ホ.) 成年に達した後、民営職業紹介事業の従事者として3年以上の経験を有する者
    ヘ.) 成年に達した後、労働者供給事業の従事者として3年以上の経験を有する者
  9. 派遣元責任者研修会を受講していること。(一般労働者派遣事業の許可申請日前5年以内の受講に限られる。)
  10. 派遣労働者100人につき1人以上選任されていること。 が必要となります。
    なお、物の製造の業務に従事する労働者を派遣する場合においては、別途、派遣元責任者を選任することとしています。

(3) 派遣元責任者が不在の場合の臨時の職務代行者が選任されていること。

(4) 社会・労働保険に加入していること。

(5) 教育訓練計画が適切に策定されており、派遣労働者に受講を義務付けた教育訓練について費用を徴収するものではないこと。
これには、教育訓練のための計画が策定されていること、また、そのための教育訓練施設が整備されていること、それに伴い適正な責任者が配置されていることなどとなっています。

(6) 個人情報に関する次の措置が講じられていること。
  1. 個人情報適正管理規定を定めていること。
  2. 派遣労働者(登録者を含みます。)の個人情報を適正に管理するための措置が講じられていること。

(7) 次の要件をすべて満たす財産的基礎があること。
  1. 資産(繰延資産及び営業権を除く)−負債≧1000万円×派遣元事業所数
  2. 資産(繰延資産及び営業権を除く)−負債≧負債×1/7
  3. 自己名義の現金・預金の額≧800万円×派遣元事業所数

これらは倒産の恐れが無く、雇用する労働者への賃金支払いが遅滞なく行える資格を有しているかどうかを確認しています。

(8) 労働者派遣事業の関係の組織の指揮命令系統が明確であること。
労働者派遣事業に関わる組織における指揮命令系統を明確にすることで、指揮命令に混乱があってはならないからとされています。

(9) 派遣労働者の登録制度を採用している場合は、登録者に係る事務に従事する職員(派遣元責任者との兼任も可)が登録者数300人につき1人以上配置されていること。

(10) 事業所において、事業に使用し得る面積がおおむね20u以上あること。
一般登録者の受付体勢に十分なスペースがあり、派遣会社として事業を行うのに適切であることが基本です。

事務に必要な机、椅子、書棚や複数の専用電話が設置されていることが必要とされており、また、風俗営業などの規制および業務の適正化等に関する法律で規制する風俗営業や風俗関連営業が密集するなど事業の運営に好ましくない位置に無いことも規定されています。労働局職員が検査を目的に訪問して来ます。

(11) 一般労働者派遣事業を当該事業以外の会員の獲得、組織の拡大、宣伝等他の目的の手段として使用しないこと。

(12) 登録制度を有する場合、登録に際し、いかなる名義であっても手数料に相当するものを徴収しないこと。

(13) 派遣先における団体交渉又は労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務について、労働者派遣を行おうとするものではないこと。
これらの他、同一事業所内で民営職業紹介事業を行う場合又は海外派遣を行う場合は、さらに次の要件を満たした上で許可を受けることができます。

[同一事業所内で民営職業紹介事業を行う場合]
  • 派遣元責任者と紹介責任者が同一の者でないこと、両事業に直接携わる職員が両事業の業務を兼任するものでないこと等組織が明確に区分されていること。
  • 派遣労働者に係る個人情報と求職者に係る個人情報が別個に管理されること等事業運営につき明確な区分がなされていること。
[海外派遣を行う場合]
  • 派遣元責任者が派遣先国の言語及び労働市場に精通しているものであること。
  • 海外派遣に際し派遣労働者に対してガイダンスを実施すること、海外の事業所との連絡体制が整備されていること等派遣労働者の海外における適正な就業のための体制が整備されていること。

また、特定労働者派遣事業を行おうとする場合には、一般労働者派遣事業同様、一定の欠格事由に該当する方(法人で、役員が欠格事由に該当する場合を含みます。)は、特定労働者派遣事業を行うことができません。

また、一般労働者派遣事業における許可要件に相当するものはありませんが、(1)及び(2)(ただし、(i)は除きます)及び(6)の要件は満たす必要があり、(4)及び(5)の要件は一般労働者派遣事業に準じた取扱いとなります。

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